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近所の小学校の桜が、見事に咲いていました。 こんなに早く咲いてしまったら、せっかくの入学式の頃までに散ってしまうんじゃないかしらと心配になるのですが、ふと、タクシーの運転手さんに聞いた話を思い出しました。 ちょうど去年の今頃、父が亡くなったという連絡を受けて、新幹線に飛び乗りました。その後在来線に乗り換えるのですが、父が入院していた病院の最寄り駅は快速が停まらない田舎の駅。しかし各駅停車を待ってる暇はありません。快速に乗り、ひとつ手前の大きな駅からタクシーに乗りました。病院の名前を告げると、運転手さんは頑張って近道して走ってくれました。途中通り抜けた小さな桜並木は満開に近く、もう夜でしたがとてもきれいでした。そのとき、この分じゃ入学式の頃には散っちゃいますねえという話になったのですが、運転手さんは言いました。「毎年そう思うんだけどねえ、大抵もう一回寒の戻りが来て、桜は持ち堪えるんだよねえ。それでちょうど入学式の頃に満開になるんだよね。上手いことなってるよねえ。」と。 なるほどなあ。確かにそうだなあ。そうやって、入学式にはらはらと桜が舞う光景は、繰り返されてきたんだなあ。季節の感覚ってすごいなあ。と、すごくしみじみ思ったのです。 さくらはさくらだけではなく、入学や旅立ちや別れや、色んな記憶と結びついているんですものね。ずっと昔から。 冷たい夜気に震えて、今か今かと満開の時を待つ八部咲きのさくら。線路際のあの桜並木は、私の中の父の記憶に、これからもずっと重なるんだと思います。 *************** 「第27回エコール・ド・シモン人形展」、無事終了いたしました。 ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!また一年、頑張ります。
by mod_only_knows
| 2008-03-27 16:00
| 日々の泡
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