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もう先月の事になりますが、久しぶりに林芙美子記念館に行ってきました。 前回は夏で、庭の蚊との戦いで落ち着いて観ることが出来なかったのと、 季節が変わると庭の表情も変わるので、一度寒い季節に行きたかったのです。 日曜でお客さんが多かったせいか案内の人も居て、展示室で 「泰ちゃんと弾いてたピアノですよ。」って、蓋を開けて見せてもらったりしました。 色が変わってしまった鍵盤。過ぎた時間が静かに漂っていました。 私が初めて読んだ芙美子の作品が「晩菊」で、これが今でも一番好きですし 一番の傑作だと思っていますが、もし最初に他の作品、 例えば「風琴と魚の街」なんかを読んだとしたら、ここまで虜にならなかったと思います。 この二作、同じ人が書いたとは思えない。 「晩菊」は晩年(といっても四十代)の一番脂ののった時期の作品で、 おそらくこの場所で書かれたものだと思います。 仕事部屋や文机やなんかを眺めていると、小さな体で必死に執筆する 芙美子の姿が浮かんでくるようです。 芙美子の幸せな時代が、ここにあったんですね。 さて、今日は東京は砂嵐だったとかで、今も強風で部屋が揺れています。 WBCは大変なことになってるし、1週間ほど前から突如やってきた花粉のせいで 私の鼻も大変な事になってます。 明日は3月11日。 なかなか進まない復興、大して何も出来ない自分にもどかしさを感じながら、 でも忘れない事、過去の事にせずしっかり受け止めて進んでいく事、 それが大事だと思っています。 コーヒー飲み過ぎ、鼻がヒクヒク、風が強い日。
by mod_only_knows
| 2013-03-10 22:00
| 日々の泡
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