6月の終わり、まるでもう梅雨明けしたみたいな青空だなあ、と何気なくシャッターを切った。
その後、ほんの1時間くらいしか経っていないのに空は俄に搔き曇り、
バケツをひっくり返したとはまさにこのこと、と言わんばかりの大雨になった。
美容室で髪を切ってもらっていた私は、「すごい雨だなあ…」などとのんびり構えていたら、急に店の中に大量の水が流れ込んできた。
緩やかな坂の下で、少し道路から低くなっている場所ではあったけれど、
生まれて初めての床上浸水に遭遇してしまったのだ。
みるみる水位は高くなり、こちらも高くしてもらった椅子の上で
ただただなす術もなく座っているしかなかった。
まあ、30分ほどで雨は上がり、徐々に水も引いていったけれど。
終わって外に出ると、大雨で流されたいろんな残骸があちこちに残っていた。
何もかも、海の底から引き上げられたみたいにびしょびしょだった。
普通の雨じゃここまで濡れないでしょ、っていうくらいのびっしょびしょ!
帰り道、看板犬の居る古本屋さんで、「犬の生活」を購入、
ぐてっと寝そべってる犬の頭をなでて、表へ出た。
犬は片目を開けて、ちょっと目配せした(気がした)。
夕方の空はやっぱり、何事もなかったみたいに晴れていた。
あ〜、早く梅雨明けしないかな。
看板犬もきっと、そう思ってるに違いないね。